すきなひと。
次は国語。
あたしはリカと一緒に教科書を広げながら、苺ポッキーを食べる。
「何かもーやる気なくなったわ〜」
そう言うと、リカはさっきと同じようにニヤついた。
「数学に力果たしちゃったもんね〜(笑)」
「こらっ!リカっ」
「あははー(笑)」
ペシッ!
「ぁたっ」
頭をプリントみたいな物で叩かれて、顔を上げるとそこには、汰希がいて。
「ここあ、俺にもくれるんじゃねーの?いちごー」
さっき散々シカトしたから、拗ねてるみたいで。
そんな汰希が可愛くて、もうちょいいじめてみる。
「たいちゃんにはあげません。」
あたしは一本かじりだすと、汰希はあたしのポッキーを折って、口に含む。
「あたしの!」
「お前がいじめっからだろ!!」
「やからって、人が食べてるんとるなやぁ〜!」
「しょーがねぇじゃん!!うまそーだったんだからよっ」
「…食い物の恨みは怖いかんな〜っ」
「おーよ!!そんなんいくらでも恨めっ」
「こいつらバカだー!!笑」
そんな声がしたから、顔を上げたらいつの間にかつっちーが側にいて、リカと一緒に机を叩きながら笑ってた。
あたしは思わず立ち上がる。
「ちゃうやん!あほなん汰希やろ!!あたしちゃうもん!!!」
「どっちもどっちだろ」
「へ?」
後ろから声がすると、そこには章汰がいて。
「まぁ、どっちかっつったら、汰希のがバカだな」
「ほらほら〜!!」
「ちょ、なんでー!!」
あたしは勝った気で汰希に言ってると、章汰がすぐに「ちょっとしか変わんねーけどなー」ってバカにしたように言ってきて。
あたしが反論したら「そーかそーか」って適当に流して、自分の席に戻っていった。
そんなやりとりを見てたリカとつっちーはずっと笑ってる。
「いやいや、笑いすぎやから!!」
「ちょっとは慰めろ(?)よ!」
あたしと汰希は顔を見合わせて、思わずため息をついた。