すきなひと。
「〜〜〜〜〜っ」
あたしは悔しくてバタバタする。
やり取りを見ていたリカは面白そうに、あたしを見つめ肩を叩く。
「か〜わい〜ねぇ」
「リカまでっ・・!」
「いーの見れた〜」
リカはクルッと方向転換して、あたしを置いてトイレに向かった。
「ちょ!置いてかんとって〜っ」
リカと一番近いトイレに行ったけど、珍しく混んでいて、違うトイレに向かう。
一番人が少ないだろうと思ったトイレに向かい、用をすませ教室に戻ると、そこはもぬけの殻となってた。
人っこ一人居ない上、鞄もなくて。
黒板を見るとそこには
―――――――
こあとリカへ
次、集会!!
体育館な
―――――――
と、でかでかと書かれていて。
あたしとリカは鞄を持って歩いて体育館に向かった。
若干、集会が始まっていてあたしらは後ろに座る。
隣のクラスのヒロも後ろに座ってて、顔を見合わせて笑った。
集会の内容は、生徒指導からの話と、実習生の紹介。
今日紹介するとは思ってなくて、あたしとヒロはそのことを知ってたか、確認した。
緊張しまくりの実習生の顔を見て、あたし達は笑う。
直樹くんあたし達を見つけたみたいで、チラチラとこっちを見てたような気がした。