すきなひと。
集会を終え、解散をした後あたしとヒロは職員室に向かう。
もちろん、からかう為に。
集会で言ってたセリフをあたしとヒロは交互に言っていじめて(笑)
照れたように顔を伏せる俊くん。
それを見て、2人でいじっていじり倒した。
盛り上がってる最中に、実習生達は校長に呼ばれ職員室を出ていく。
それと入れ違いに悠平と辻本先生が入ってきて、あたしはシャーペンのことを思い出す。
「ゆっ・・・高岡先生」
『悠平』と呼びそうになり、それをやめて言い直す。
だってここは職員室だから。
「ん?」
「ちょっと・・」
スーツの裾を軽く引っ張り、廊下へ出て。
胸ポケットからシャーペンを出し悠平の前に差し出す。
「シャーペンありがと」
「おー、どういたしまして。また、忘れたら俺んとこおいで。貸すからさ」
「いいの?!でも、借りると悠平が困るやん・・・」
「いーって(笑)」
「ほんまに・・?ありがとぉ」
「ん」
そう言ってまた頭をポンポンして。
それをされる度、気持ちが揺れる。
「俺はこれから忙しくなるな〜」
「え?何で??」
「期末テスト対策」
「あ、そっか。大変やん!めっちゃ量あるやんね?大丈夫なん?」
「ん〜なんとか・・・って言ってもまだまだ日はあるけどな。で、今日も残んのか?」
職員室を覗くとヒロは楽しそうに先生と喋ってて。
あたしは、そんなヒロを指差して、
「ヒロ次第」
と言っておいた。