すきなひと。
汰希に歌声を気に入られ、ストリートライブ3日目を乗りきった次の日、あたしは眠くてしょうがないのを我慢して、学校に行った。
「・・・はよぉ」
「よし!!あんた昨日の凄くない?!」
眠い目を擦りながら教室に入った瞬間、待ち構えていたかの様につっちーがあたしの肩を掴んで揺らす。
「ぅあー・・・ちょいっと落ち着きんしゃい〜」
その様子を見てたリカも、面白そうに寄ってきて。
「なになになに?!どうしたの??」
「昨日、放課後にダンスの練習した後のことなんだけどさ、飯食べに行こうとしてたのね」
「うんうん」
「誘おうとしたら、加藤があたしからよしを奪ったわけよ」
「奪った?」
「そー。で、とりあえず後付いていったら、公園で歌い出したわけよ」
「それって、路上ライブってこと?」
「うん。それがさ、すっごく上手いの!!」
「こあ、歌上手いのは知ってたけど、路上ライブって!すごいじゃん!!」
そんな2人のやりとりを、静かに聞いてるわけではなく、あたしは席についてうとうとしてた。
「でっでっ!!よしはボーカルやるの?!」
「やるのやるのっ?!」
あとちょっとで眠れるってときにリカとつっちーのテンションの高さに負けて。
「ん〜まだわからへん」
「よしなら絶対イケるって」
「それか暇つぶしにやってみたら??」
「う〜ん・・・暇つぶしかぁ」
あたしが考え込んでると、チャイムがなった。