すきなひと。
あたしは一息つく。
このあとは、一週間前に決まったダンスを見せなきゃだから。
人に見せるのって久しぶりで、ドキドキしてた。
「よし〜」
パッと呼ばれた方を見ると満面の笑みのつっちーが鞄を持って手招きしてる。
「はいはい」
あたしも鞄を持って立ち上がると、汰希に呼び止められた。
「なぁ、今日ダンス??」
「そー。汰希も見たかったらおいで〜」
「どこでやんの?」
「空ききょ」
「中庭の広場的なとこ!!ほら行くよっ」
あたしの代わりに、つっちーが答え、ぐいっと引っ張る。
「中庭??空き教室ちゃうん?」
中庭の広場は、ダンス部が部活で使っている所。
いやな予感がした。