すきなひと。

そんな汰希はほっといて、あたしはリカを見る。


「で、リカどしたん?」


「聞いてビックリするよ!うちとこあ、また一緒のクラスー!!」


「うそやーん!!ほんまにー?!」


「ほんとー!!F組だよー」


あたしとリカは嬉しくなって抱きついた。
1年生の時も同じクラスで、めちゃくちゃ仲良くて、常に一緒にいた。
もし、クラスが違ったら…と、昨日半泣きで散々電話で話してたくらい。
そんな心配は打ち砕かれた。


「俺も一緒ー!!」


そう言って、汰希も抱きついてきた。
あたしとリカは同時に汰希を押し退けて。


「ひでぇっ」


「「汰希は暑苦しい!!」」


「なんだとっ?!」



そんなやり取りをしながら、3人で笑う。


「あ!!恒例の写真撮ろ!」


そう言いながら、あたしは鞄からカメラをとりだし、近くにいた子に写真を撮って貰った。


なんで、写真を撮るのかというと、写真が好きだからというのは前提で、中学のとき後悔したことがあるから。
中学の思い出の写真が、修学旅行とかそんな行事しかなくて。
もっと楽しいこといっぱいあったはずなのに。
だから、高校入ったらいっぱい写真撮ろうと思った。

何気ない日常をカメラにおさめる。
それがあたしの今大好きなこと。


「そこ!早く体育館移動しろ!」


「「はーい」」

「へーい」


汰希のやる気ない返事に苦笑しながら、先生と一緒に体育館に向かった。
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