C校舎の城ヶ崎くん
噂の城ケ崎龍
「千代聞いた!?」
「へ?何が」
いつもと同じように学校へ着いたときのこと。
下駄箱で靴を履き替えていると、親友の桃ちゃんが息を切らしながら走ってきた。
そんなに急いでどうしたんだろうか。
嬉しいことでもあったのかな。
そんなことを考える七宮 千代、中2。
人生で一度は起こるという、あの恥ずかしい病気のことではなく。
中学2年生だ。
そして先程私が桃ちゃんと言った目の前の可愛い女の子は、日比野 桃香ちゃん。
私たち2人、仲良く平和に当たり障りなく過ごしています。
「あんた聞いてないの!?今日噂になってるんだけど!」
「だ、だからなにが?」
肩をがしりと掴まれて、若干引いてしまった。
いつもはセットして、気もつかっている髪の毛が乱れている桃ちゃん。
そんなに大事なことがあったのかな。
「城ヶ崎 龍が今日登校するんだって!」
< 1 / 187 >