C校舎の城ヶ崎くん
「……あんた何やってんの?」
目の前に足が2本現れたと思ったら、私にかけられた言葉。
桃ちゃんや他の女の子じゃないことは、視界に入った男子の制服と声で気づいた。
「…す、すみません」
誰だろうと顔を上げた瞬間私の目はかっぴらいた。なぜなら、まさか城ヶ崎くんに話しかけられ、見下ろされているなんて、予想していなかったからだ。
話しかけられたこと、目が合ったこと、見下ろされているということに固まった。
は、迫力が!!
涙目だったのが、ちゃんとした涙になって小さな目から出てきそうでぐっと耐えた。
な、何かな。
俺の目の前でそんな無様なものを晒すなと!?そうおっしゃるのですか!?
何を言われるかビクつきながらも、腕を使ってへたり込む。
匍匐前進のポーズよりかは良いと、働かない頭が一生懸命考えたようだ。
「大丈夫?てか何やってんの?」