C校舎の城ヶ崎くん
「あのさー、七宮さん」
「なんでしょう」
「俺が愛ちゃんのこと好きって、なんで思ったわけ?」
なんでって。
そりゃ、ねえ。
「高梨先生と話してるとき、すごく愛しそうな顔だったから」
「………ちなみに、年齢差結構あるけどそこのとこは?」
「恋愛に年の差なんて関係ないよ!」
これはよく言うよね。私の親も10歳差だし、珍しくない。
それに、先生と生徒の秘密恋愛は少女漫画やドラマでもよく見かける。
特におかしいとか、そういう偏見はしないと決めた私。
「…それで、七宮さんは俺が愛ちゃんを好きだって知って、どう思ったわけ?」
「どうって…」
私は口をへの字に曲げて、率直に答えた。
「なんか、ムカムカする」
「ムカムカ?具体的には?」
「う、うーん…なんかこう…モヤモヤというか…なんだろう」
心臓が握り潰されるような感じになったり、気が気じゃないとでも言いますか。
そのことを伝えると、城ヶ崎くんは見たこともない程に驚いていた。