C校舎の城ヶ崎くん
「なんか、千代と今雰囲気良くないと思ったからさ」

「桃ちゃん…」




開け放たれたカーテンの向こう側から、まん丸太陽が昇っている。


それが眩しいから、桃ちゃんは俯いてるのではない。





「きっかけは私だから、謝っておこうと思って」

「そんなことないよ!」

「いーや、太郎の事があってから千代との仲に亀裂が数ミリ入った気がした」

「…太郎、くん」





気まずそうにこと喋る桃ちゃんに、私はなんと声をかけたらいいんだか…。


桃ちゃんが悪いわけではない。
かといって私も悪いわけではない。


と思う。


氷の入ったお茶を一口飲むと、桃ちゃんは言った。




「千代は太郎と友達なの?」




俯いていた顔を上げた桃ちゃんは、真剣な表情だった。
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