C校舎の城ヶ崎くん
「で、実のところどうなの?恋する乙女として聞いておきたいんだけど」
恋する乙女と、冗談混じりに言う桃ちゃんはもう泣いてなかった。
むしろスッキリしたようにも見える。
切り替えが早いなぁ、と尊敬する。
「別に千代が太郎のこと好きでも、私は千代との関係を切るつもりはない。ライバルになっても千代のことも好き」
桃ちゃんは穏やかに言う。
怒ることなく、ふんわりと微笑んだ。
「それにほら、太郎かっこいいから好きになってもおかしくないし?城ヶ崎グループの中でも城ヶ崎抜いて1番だしね」
桃ちゃんのその言葉を聞き、私はついポロリと言葉が出た。
「……城ヶ崎くんのほうがかっこいいもん」