C校舎の城ヶ崎くん
「…………え?」
「ち、千代…?」
不意打ちをくらったように瞬きをする桃ちゃんだけど、私もパチパチと瞬きをした。
あれ、あれ?
「…千代、まさか」
「ちがっ!ただ、城ヶ崎くんの方がかっこいいなって思っただけだもん!」
「…千代」
「だだだだだってキタロは可愛い系だし、どっちかと言うと城ヶ崎くんのほうが…」
恥ずかしいやらなんやらでパニックになった。
キタロのことが好きな桃ちゃんにとっては、今のは失言だったかもしれない。
けれど、そんなことを考える余裕はなくあたふたする私。
「千代」
「じょ、城ヶ崎くんは確かに見た目怖いけど!悪い人じゃなくて!すっごく優しくて!笑顔が素敵で!」
「千代ってば!」
「はひぃー!!」
肩をガクガクと揺さぶられて、落ち着けと何度も言ってくる桃ちゃん。