C校舎の城ヶ崎くん


城ヶ崎くんから視線を外して、周囲を見渡すと、群らがっていた方々がこっちをガン見していた。


しかもその顔はいかにも不服そうだった。


その視線に怖くなり、また恥ずかしくなって、口元に手を当てた。



そりゃあ、皆城ヶ崎くんと話すために来たんだもんね。


なのに私が引き留めたようになっちゃって、怒られない方が不思議だ。




「そ、その……」

「うん」

「ごめんなさいっ!」




いたたまれなくなってその場からダッシュで逃げた。



後ろからまだ視線を感じたが、校舎を出ればそんなものは関係ない!




「えっ、千代!?待ってよ!」




私に置いていかれた桃ちゃんは、急いで後を追いかけてきた。


ごめん桃ちゃん、私はもう二度とC校舎には行きたくないよ。
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