C校舎の城ヶ崎くん


そう言った桃ちゃんに覇気は一切感じられなかった。


私は一瞬ポカーンとした。





「え、え?なんでそう思の?」





中庭で見かけたキタロは桃ちゃんとなにかあったんだと、感じさせられる雰囲気はあった。



でもキタロは桃ちゃんのことを嫌っている様子ではなかったはず。じゃあ、好きかと問われれば何も言えないが。


それに、キタロに好きな人がいるなんて城ヶ崎くんや他の人たちからも聞いたことがない。


ただ単に私が知らされていないだけかもしれないけど…。




「知り合いの…情報…」

「それあてになるの?」

「なる、すごく」





俯いて、元気のない桃ちゃんは初めて見たかもしれない。

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