C校舎の城ヶ崎くん
「千代!」
今日1日の授業が終了し、部活用のカバンを持って私達のところに来た桃ちゃん。
教科書を詰め込んでいた手を止めて、桃ちゃんのほうを振り向いた。
「お願いね!」
「......あっ、もちろん!任せて!!」
一瞬桃ちゃんがなにに対して言っているのか理解できなかった。
それがキタロ関係のことだと言っていると分かったのは2秒後だ。
「ありがとう!で....その....明日教えてね?」
「明日....?」
明日は確か創立記念日で学校はお休みだ。
「また千代の家行っていい?」
「うん!」
「お昼から行くね」
「待ってるねー!」
若干耳の方を赤くしている桃ちゃんに微笑む。
可愛いな、本当に可愛いなぁ。
「部活頑張ってね」
「はーい。じゃあね」
「ばいばいー」
桃ちゃんに手を振って見送った。
私はカバンを背負い、最近慣れつつあるC校舎へ足を運んだ。