C校舎の城ヶ崎くん
すごかったなぁ、城ヶ崎くん。
キラキラしてて私なんかとは全然違うオーラを放ってた。
人を惹きつける魅力というか、とにかくこの人は別格だ!っていうことを改めて実感した。
と、そこまで考えてふと桃ちゃんの言葉が頭をよぎった。
他の人とオーラが違う…まさかこれって恋!?
私があの城ヶ崎くんに恋をしたってことかな!?
……なわけないか。
私なんかが城ヶ崎くんに恋だなんて、想像するのでさえ畏れ多い!
「七宮ー、ちゃんとノートとれよー」
「すっ、すみません」
黒板の前に立っている先生に注意された。
クラスメートはちゃんと板書をしているけど、シャーペンを動かしていない私が目立ったのか。
よし、城ヶ崎くんのことはもう終わり!
授業に集中しようじゃないか!
意気込んで筆箱を開けようとしたのだが。
「……あれ」
んん?
私の筆箱、どこ?
机の上に置いたと思っていた私の筆箱が姿を消していた。