C校舎の城ヶ崎くん
「千代ちゃんアドレス交換しよ」
まっつんが取り出したのはスマホと呼ばれるもの。
両親や桃ちゃんのはパカパカ式のガラケーと呼ばれる携帯だから、スマホというものは久々に見る。友達がほとんどスマホだ。
「ちなみにどこの機種?」
「え、えーと」
「ん?」
手慣れたように操作するまっつんに、申し訳なく思いながらも言う。
「私携帯持ってない」
「......うそん!普通持ってるっしょ。なんで?」
「中学生にはまだ早いって、親が」
「あー、そうか。確か門限も短かったよね」
「うん」
なるほど、とスマホを仕舞って顎に手を当てるまっつん。
なにかを考えているようだった。
「家の電話......いやそれはさすがにツライ」
「まっつん?」