C校舎の城ヶ崎くん
「お友達?」
「ううん、母さん。今からケーキ買って帰れだと」
嫌そうに顔をしかめて舌打ちする桃ちゃんに苦笑いする。
「客が来てるからはやくしろってさ。こっちの気も知らないで…」
「帰るの?」
「うん…ごめんね?最近振り回してばかりな気がする」
申し訳なさそうに眉を下げる桃ちゃんにへらっと笑ってみせる。
「桃ちゃんにはいつもお世話になってるし、それに振り回されてるなんて思ってないよ」
「千代…あんた本当に良い女ね」
「桃ちゃんには負けるよっ」
感極まった桃ちゃんはなみだめで唇を噛み締め、バックを肩にかけて帰り支度をした。
私は立ち上がり桃ちゃんを途中まで送ろうと、2人で一階におりた。