C校舎の城ヶ崎くん
「う、わあ…!」
宮古通りにある服屋さん。
パリノという、可愛い服が揃っている私のお気に入りの服屋さん。
そこに入ると大きく書かれていたSALEの文字が目についた。
私はルンルンと瞳を輝かせて店に入り、色んな服を手に取る。
そしてとある一品に目をつけた。
「か、可愛い…けど似合わない…」
軽くレースがあしらわれ、白を基調とした可愛いらしいワンピース。
しかし。
鏡を見ながら似合うかどうか確かめてみると、似合いそうでもなかった。
試着したいけど、これだと試着しても無駄な気がする…。
可愛いのに、好みなのに似合わないなんて悲しい。
肩を落としながら、元あったところに戻す。
「あっ、すみません」
他の服を見ようと思いその場から離れようとしたら、茶髪の女性とぶつかった。
「いえ、こちらこそごめんなさい」
薄いお化粧でばっちりと決められた、綺麗な顔が緩められていた。
モデルさんのようなスタイルとお顔に、まじまじと見つめてしまう。
「……何か?」
「へっ!?あ、ご、ごめんなさい!」
顔を歪めず、首を傾げた美女。
思わず頬が赤くなっていく。
私は再び謝罪をして去ろうとするが、美女の「待って」と、私の腕を掴む美しい手が私を引き止めた。