C校舎の城ヶ崎くん


「う、わあ…!」





宮古通りにある服屋さん。


パリノという、可愛い服が揃っている私のお気に入りの服屋さん。


そこに入ると大きく書かれていたSALEの文字が目についた。


私はルンルンと瞳を輝かせて店に入り、色んな服を手に取る。


そしてとある一品に目をつけた。




「か、可愛い…けど似合わない…」




軽くレースがあしらわれ、白を基調とした可愛いらしいワンピース。


しかし。


鏡を見ながら似合うかどうか確かめてみると、似合いそうでもなかった。


試着したいけど、これだと試着しても無駄な気がする…。


可愛いのに、好みなのに似合わないなんて悲しい。


肩を落としながら、元あったところに戻す。




「あっ、すみません」




他の服を見ようと思いその場から離れようとしたら、茶髪の女性とぶつかった。




「いえ、こちらこそごめんなさい」




薄いお化粧でばっちりと決められた、綺麗な顔が緩められていた。


モデルさんのようなスタイルとお顔に、まじまじと見つめてしまう。




「……何か?」

「へっ!?あ、ご、ごめんなさい!」




顔を歪めず、首を傾げた美女。


思わず頬が赤くなっていく。


私は再び謝罪をして去ろうとするが、美女の「待って」と、私の腕を掴む美しい手が私を引き止めた。


< 148 / 187 >

この作品をシェア

pagetop