C校舎の城ヶ崎くん
「え、えーと…?」
「……もしかして、この服買おうとしたんですか?」
ニッコリと微笑まれながらそう聞かれ、戸惑いながらも、はいと答えた。
「やっぱりー?あ、ごめんなさい。私今連れと別行動してて、1人なんですよ。寂しいのでよかったらこのお店一緒に見てもいいですか?」
きゅるるーん、と濁りのない瞳で見つめられ、言葉に詰まった。
これが全然知らないオッサンだったら即答で断るのに、美人さんが言うと頷いてしまうのだから不思議だ。
それにしても、こんな美人が私の隣を歩いて許されるのだろうか。
いや、むしろ私がこんな美人の隣で歩く程の者じゃない。
「無理、ですか?」
「そっ、そんなことないです!もちろん大丈夫です!」
「良かったぁ」
はうっ。
ホッとした表情にキュンとくる。
こりゃ彼氏さんはとんでもなく幸せ者だね。