C校舎の城ヶ崎くん
「龍ー、はやくケーキ出して。お客さんだよ?」




にっこりとあの美しい微笑みで城ヶ崎くんに言うと、彼はハッとして眉間にしわを寄せた。


その顔を見るのも久しぶりだな、なんて思いながら2人のやりとりを眺める。





「イズ…まさかお前……」

「えー?なんのことー?イズわかんなぁい」

「チッ」




置いてけぼりな私は城ヶ崎くんを見つめている。


すると急にこっちを向いた城ヶ崎くんは「リビングにどーぞ」と素っ気なく私に言った。





「は、はい…」





久しぶりの城ヶ崎くんだ。


緊張して上手く話せない。


心の準備とかしてなかったから、カチンコチンに固まる。



城ヶ崎くんに会えて舞い上がりたいのは山々だけど、泉美さんと城ヶ崎くんが仲良しなのを見ると、そんなのもできなかった。



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