C校舎の城ヶ崎くん


「七宮さんチーズケーキとか食べれる?」




腕まくりをしている城ヶ崎くんが、ソファに座っている私に問いかけた。


チーズケーキ、大丈夫。


むしろケーキに苦手なものはない。





「う、うん。好きだよ」





目の前のソファに泉美さんが座り、ニコニコ笑顔でこっちを見てる。



あっ!しまった!



今、食いしん坊とか思われたかな?


こいつケーキばかり食べるから太るんだよ的な!?


ケーキが好きな子って城ヶ崎くん的にはどうなの!?アウト!?セーフ!?





「…っ、な、ならよかった」





顔を背けられてさっさとキッチンのほうへ行ってしまった。


城ヶ崎くんの家のキッチンは、私の家と違って対面キッチンではない。


なので、城ヶ崎くんの顔がよく見えない。


あ、アウトだったのかな…。





「ふっ、ふふっ」

「泉美さん?」

「ごめっ、あはは!なんでもない!」





口元に手を当ててクスクス笑う泉美さん。

なにが面白かったのか、分からないや。





「あ、あの…泉美さん」

「ふふっ。なに?」





私は一度視線を自分の膝にやり、そして再び泉美さんに向いた。





「城ヶ崎くんと、どういう関係なんですか?」


< 156 / 187 >

この作品をシェア

pagetop