C校舎の城ヶ崎くん
「七宮さんチーズケーキとか食べれる?」
腕まくりをしている城ヶ崎くんが、ソファに座っている私に問いかけた。
チーズケーキ、大丈夫。
むしろケーキに苦手なものはない。
「う、うん。好きだよ」
目の前のソファに泉美さんが座り、ニコニコ笑顔でこっちを見てる。
あっ!しまった!
今、食いしん坊とか思われたかな?
こいつケーキばかり食べるから太るんだよ的な!?
ケーキが好きな子って城ヶ崎くん的にはどうなの!?アウト!?セーフ!?
「…っ、な、ならよかった」
顔を背けられてさっさとキッチンのほうへ行ってしまった。
城ヶ崎くんの家のキッチンは、私の家と違って対面キッチンではない。
なので、城ヶ崎くんの顔がよく見えない。
あ、アウトだったのかな…。
「ふっ、ふふっ」
「泉美さん?」
「ごめっ、あはは!なんでもない!」
口元に手を当ててクスクス笑う泉美さん。
なにが面白かったのか、分からないや。
「あ、あの…泉美さん」
「ふふっ。なに?」
私は一度視線を自分の膝にやり、そして再び泉美さんに向いた。
「城ヶ崎くんと、どういう関係なんですか?」