C校舎の城ヶ崎くん


「七宮さん、どう?」

「美味しいです…」




城ヶ崎くんが焼いてくれたチーズケーキを3人で食べている最中。


一口食べた途端、女子力の圧倒的な差に愕然とした。





「2人は知り合いだったのか」

「お洋服買いに行ったら千代さんがいて、そこで仲良くなったんだぁ」





泉美さんと城ヶ崎くんが仲良くしている光景を見ると疎外感を感じた。


私、退場した方がいいんじゃないか。




「ふうん」




私と泉美さんの関係にあまり興味ないのか、パクパクとケーキを食していく。




「千代さんは彼氏いるんですか?」

「ぐっ…!」





き、器官に入った!


ごほっごほっと咳き込む私に「大丈夫?」と聞いてくれる泉美さん。




「は、はい大丈夫です」

「で、彼氏いるんですか?」





どういう意図があって聞いてきたのか。


恐らく特別な意味はないんだろうけど。



しかし。



私にとってはここで、城ヶ崎くんのいる場での恋バナは少し避けたい。




本人がいる前で語れと!?




城ヶ崎くんは彼氏ではないけど私の想い人で…。




「あたしはねえ、彼氏いまーす!!」

「イズ、煩い」





声を上げて高らかに言う泉美さんを冷たい目で見た城ヶ崎くん。



仲、良いんだなぁ……。
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