C校舎の城ヶ崎くん
「えっとねえ、あたしの彼氏はねえ」
泉美さんの彼氏。
それは聞いても良いのだろうか。
聞いても大丈夫だろうか。
「かっこよくてぇ、頭よくってぇ、クールでぇ、ずーっと一緒にいてくれます!」
「そ、そうなんですか」
泉美さんのその言葉に、城ヶ崎くんが当てはまるのか想像する。
城ヶ崎くんはかっこいい。
頭も、良いだろうし、クールだし。
泉美さんと仲良しだし、ずっと一緒…。
簡単に当てはまることに落ち込んだ。
「千代さんは?」
「へ?」
「彼氏とか好きなタイプとかは?」
好きなタイプ…。
ていうか好きな人は…。
チラッと城ヶ崎くんのほうを向くと、ばっちり目が合った。
ひ、ひぃ!
うあう!
な、なんでこっち見てるの?
恥ずかしい!!!
私の恋愛なんて興味なさそうなのにぃ!
「あれ?龍も興味あるの?」
「……別に」
泉美さんにそう言われて残りのケーキを皿に入れて食べ始めた城ヶ崎くん。
い、意外と甘いもの好きなのかな。
「で、どうなんですか!?すっごく聞きたいなぁ」
私は城ヶ崎くんがこたらに耳を傾けていないことを願いながら、彼のことを語り始めた。