C校舎の城ヶ崎くん
「もしかしてC校舎に落としてきたとか?」
「やっぱりそうなのかなぁ」
「転けたときじゃない?」
またC校舎に行くのか。二度と行きたくないのに。
怖いなから行きたくないのが本音なんだけど。
「桃ちゃんC校舎に友達いる?」
C校舎は、不良ばかりがいるところなので、私の友達がいるわけない。
こう言ってはなんだが、類は友を呼ぶというし。普通女の私が友達になる子は大抵、普通の子(桃ちゃんは例外)。
私みたいな女と話してくれる派手めな友達なんて、いないから(桃ちゃんは例外)。
「いないわけでもない」
「じゃ、じゃあ悪いけど」
「でも断る」
「………桃ちゃん」
きっぱり断られてしまった。
私が見つけた蜘蛛の糸は簡単に切れてしまった。
あぁ、涙が出てきそう。