C校舎の城ヶ崎くん

「そのっ、すっごく美味しかったです!コツとかあるのなら是非教えてもらいたいくらいで…っ」





………言って後悔。



普通だ。普通すぎた。



それにコツってなに…チーズケーキにコツもなにもないよね。


私だって普通に作れるし。



もうちょっと大人な感想とか、奇抜な感想とかのほうが良かったかもしれない。





「…七宮さんもケーキとか作るの?」

「えっ、うん。たまーにだけど…」





じょ、城ヶ崎くんから話しかけてくれた!


沈んだ心だったが、一気に復活した。


なんて単純、と桃ちゃんがこの場にいればそう言うだろう。





「じゃあ…今度」

「はい」

「妹がタルト食べたいって言ってたから、作りたいんだけど。俺、作ったことないから」






い、妹さん?いるの?


城ヶ崎くんの妹さん…超絶可愛いか、超絶美人なんだろうなあ。





「一緒に作ってくれる?」

「うへえ!?」

「…くっ」





し、しまった!

妹さんがどんな人なんだろうとか想像してたから、変な声が…。

いやだってまさかそんなこと言われるなんてっ!



わ、笑われたし。

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