C校舎の城ヶ崎くん
「七宮さんてさ」
「うん?」
城ヶ崎くんがお皿を洗い、私が拭く。
なんだか同棲している彼氏彼女みたいで顔がだらしなくなる。
朝とお昼のお皿もあったようで、結構食器がある。
「好きなタイプってどんなの?」
「へ、へっ?」
好きなタイプ…?
それは男性の、という風に捉えても良いのでしょうか?
それともケーキのこと?
「えっと…男性でいいのかな?」
「そう。男のタイプ」
私、泉美さんに語ったよね、城ヶ崎くんの前で。
やっぱり聞いてなかったんだ。
チラリと城ヶ崎くんの方を見るが、相変わらずのポーカーフェイスで何を考えてるのかわからない。
なんでそんなにポーカーフェイス得意なんだろうか。
まあ、たまに笑ったりしてるけど、それでも…。
笑った顔や無表情しか見たことがない。
もっと、他の表情が見てみたい。
その一心で出た言葉。
「じょ城ヶ崎くん、み、み、みたいな人がタイプか、なぁ?」