C校舎の城ヶ崎くん
ごめん。
その一言が私に重くのしかかった。
アヤマラレタ。
それは私に、そういう感情はないということ。
目の前が真っ暗になるのを感じたが、なにか言わなければと思い言葉を探す。
「え、と…ハハっ」
笑いしか出てこない。
こういうとき、どう返すのが正解なんだろうか。
知ってたよ。
やっぱりね。
そっか。
気にしないで。
どれが一番良い選択なんだろう。
「……めん…ごめんな、さい」
私はやっぱりどの言葉も言えず、謝るという選択をした。
ホロリと冷たいモノが頬をつたい、気づいた時には手で軽く顔を覆った。
「わ、私帰るねっ」
まだ途中だったお皿拭きを諦めて、リビングに置かせてもらっているカバンを取りに向かった。