C校舎の城ヶ崎くん
「でも、なんか。好きって単語が聞こえたような聞こえなかったような気がしたし。間違ってても何でもいいから、とにかくチャンスかと思って」





城ヶ崎くんはずっと私を後ろから抱きしめているので、彼の顔は見えない。


ただ、首にかかる吐息がくすぐったくて少し身を捩る。






「でもっ、泉美さんは!?彼女じゃないのっ?」

「は?なんでイズ?妹を彼女にする趣味はないよ、俺」

「えっ!?妹なの、泉美さん!?」





お、大人っぽい!!


城ヶ崎くんの妹ってことは年下!?


嘘ーーーっ!!





「て、ことは……その…じゃあ…」

「ん?」

「き、か、か、か、きゃ、んんっ。彼氏になってくれるんですか?」





噛む寸前で咳払いし、誤魔化した。


両想いってことは、彼氏になるってことでいいんだよね?


ここで無理なんて言われたら私…。


上げて落とされるなんて嫌だっ。




ビクビクしながら城ヶ崎くんの返事を待つと「ん」という短い言葉を頂きました。

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