C校舎の城ヶ崎くん






ピピピピ____....


目覚ましの音が静かな部屋に鳴り響く。




「……朝がきた」





どんなに辛いことがあっても、どんなに嬉しいことがあっても、必ず朝はおとずれる。


そう、例え夢のように素敵で嬉しいことがあっても!




「おっはよー!」

「あら、今日は機嫌良いわね。なにかあるの?」

「むっふふふふ」





ニヤニヤする顔を片手で押さえながら朝食と学校の準備をする。




昨日、城ヶ崎くんと両想いになれた。




それはそれは私にとって素晴らしいことであり、人生初の彼氏である。



幼いころ思い描いていたようなキラキラした輝かしいものではなく、告白しても「ん」という素っ気ない返事だったけど。




「いってきまーす!」





今まで生きてた中で、こんなにドキドキウキウキワクワクしたことがあっただろうか。


いつもの道なのに、通りすがる人も、そこらへんに咲いている小さな花も、澄んだ青空も。


毎日見てきた光景なのに、なぜか輝いて見えた。




「これが恋の力……」




はやく、学校に着かないかな。
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