C校舎の城ヶ崎くん
「千代、おはよ」
「おはよう桃ちゃん!桃ちゃん聞いて聞いて!!」
「うわっ、どうしたの」
下駄箱のところで桃ちゃんと会い、ガバッと抱きつく。
「えっへっへ、あのね、あのね!」
「うんうん。ちょっと落ち着こうか。お腹が圧迫されて心臓が出そう」
「あ、ごめんね」
若干苦しそうにしていた桃ちゃんから離れ、靴を履き替えた。
「で、なにか良いことでもあったの?」
桃ちゃんは既に上履きを履いていて、私と一緒に教室へ向かう。
「ふふふ、やっぱり私嬉しそう?」
「…殴って良い?」
「ちょ、ちょ、ちょ、冗談だよ!」
あはは、と笑いながら桃ちゃんの腕に絡みつく。
「昨日ね、なんとなんと!」
「うん」
「城ヶ崎くんと!」
「うん」
「付き合うことになったのです!」
「……は??」
呆気にとられている桃ちゃんに、私はヘラヘラ笑いながら昨日のことを話した。
桃ちゃんはポカーンとした顔のままで
私の話をちゃんと聞いてるのか分からなかったけど。