C校舎の城ヶ崎くん



「あぁーーーっ!七宮千代!!覚悟ぉぉーー!」

「ぃきゃああぁぁ!」





城ヶ崎くんが、私の席に座ってる、なんて照れる暇もなく。


目の前から物凄い形相をした、ユッペが向かってきた。





「よくも俺の龍をーっ!!」





しかし、走って来る前に服の裾を城ヶ崎くんに掴まれ、ユッペは転けた。


ほっ、と胸を撫で下ろす。





「七宮、お前あいつらと知り合いなの?」




話しかけてきたのは委員長。
眼鏡をかけて、いかにも真面目系男子。


怯えたような顔をしている。




「う、うん…」




知り合いというか…彼氏とその友達です。


委員長の顔を見たら、そんなこと言えなかった。





「マジかよ…まさか七宮もそういう…」

「えっと、委員長。偏見はよくないよ」





言いたいことは分かるけど、そんな悪口みたいなことは聞きたくない。


少しムスッとしながら言い返す。





「わ、悪い。いやでも真実を聞かせてくれ。あいつらとはマブダチかなにかか?」

「ま、まぶだち?」





って、どういう意味かな。


桃ちゃんのほうをチラッと見るが、どうやら私のほうは視界に入っていない。


城ヶ崎くんたちと一緒にいるキタロで視界がいっぱいなんだと思う。





「まさか知り合いと称した喧嘩友達か…?」

「ち、違うよっ」

「ほ、本当に大丈夫なんだろうな!?」





私の肩をゆっさゆさと揺らす委員長に、「冷静になろうっ」と呼びかける。
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