C校舎の城ヶ崎くん


「おい」




私の肩に手を置いていた、委員長の腕を掴んで低い声を出したのは城ヶ崎くん。





「人の彼女になにしてんの?」

「ひっ、や、こ、これは!」

「離せ」

「すみましぇん!!」





真っ青になりながら委員長はどこかへ行ってしまった。


頼りないっ、と思ったのは私だけではないはず。





「城ヶ崎くん、おはよう!」

「はよ」




無表情で分かりにくいかもしれないけど、これは照れてる顔。

か、可愛い…!





「七宮千代!俺と勝負だ!」

「ユッペ、いい加減にしなよー。それじゃあ千代ちゃんが可哀想だよー」





と、キタロが言うがその後ろには般若の顔をした女の子。





「太郎…」

「……え」





桃ちゃんがキタロの首を掴み、全く笑えてないが、笑顔を見せた。





「ちょっと話があるんだけど、いいよね?」

「え、っとぉ」

「なに?もしかして断る気?」

「そんなんじゃないって!」

「じゃあ来い。ちょっと面貸せや」





なかなか男らしい桃ちゃんに連れられ、キタロはどこかに行ってしまった。





「七宮千代ーーーーっ!!」





今にも襲ってきそうなユッペに、私は無意識のうちに城ヶ崎くんの後ろに隠れた。





「おい、ユッペ」

「だってこいつムカつく!!」





オレンジメッシュがいつにも増して、ヤンキーっぽさを醸し出している。





「千代ちゃん千代ちゃん、これどういう状況なの?」





救いの神とは、このことだった。
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