C校舎の城ヶ崎くん
校舎の中は騒がしくなく、人の気配もあまりしない。
これはチャンスだ。
急いで探そう、と今日通った道のりの床をチェックしながら6組まで歩く。
「ないなぁ」
やっぱり城ヶ崎くんを見上げた辺りに落ちてるのかな。
やっぱり転けたときかも。
カバンを背負い直して6組を目指した。
「…あれ?」
気がつくと、既に6組まで来てしまっていた。
でもこの付近の床には落ちていない。
絶対この辺りだと思ったんだけど。
「……どこにあるんだろ」
まさか飛ばされた?
ありえる。
私の筆箱、そんなに重くないし吹っ飛んでも不思議はない。
もしや室内に入った?
「でも……」
6組に人がいたらどうしよう。
いや、でも声聞こえないし。
扉閉まってるし。
6組の前で数秒、扉を開けようかどうかで悩んだが、人の気配はないし入ろう。
そう考えて、未知なる教室へと足を踏み入れた。