C校舎の城ヶ崎くん
「ここになんか用?てか何組の人?」

「え、えと…その、ふ、筆箱がなくて……こっ、ここらへんに落としたと思って…」





ダメだ、私コミュニケーション力ないから無理だ。



知らない人に説明とかできないもん。

それに不良を前にしてなにを語れと!



手汗をかきながら自分なりに精一杯話す。




「よ、4組です…」





クラスのところはまだ良いとして、筆箱のところが伝わったかどうか。



金髪の人の顔を伺うと、先程と変わった様子はない。




「筆箱?それに4組の人がなんでここに…」

「そ、それは……」




友達と一緒に城ヶ崎くんを見に来たときに筆箱を落としたかもしれないので探しに来ました。


なんて口が裂けても言えない。



この人たち、城ヶ崎くんと同じクラスみたいだしそんなこと言ったら「ふうん、城ヶ崎目当てで来たわけね」とか「ブスのくせにミーハーかよ」とか言われそう。



そして冷めた目で見られて、翌日いじめに遭ったりするんだ!




「龍を見に来たんじゃね?」




…自分が言う以前に、言われた。

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