C校舎の城ヶ崎くん
「6組に俺のカバン置いてるから、その中だ」
え、まさか持って帰るつもりで…?
「……帰りにでも、落とし物のところに置いてこようと思って」
チラッと私のほうを向いて、心を見透かしたように答えてくれた。
な、なるほど。
じゃあ良い人じゃないか、城ヶ崎くん。
「来て」
「はっ、はい」
サァっと開いている窓から風が吹き、城ヶ崎くんの髪を揺らして彼のつけている香水が鼻を掠めた。
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