C校舎の城ヶ崎くん
再び6組に戻ると、あの不良集団がまだ教室に残っていた。



城ヶ崎くんの後ろをついて行きながら、またもや緊張して体がかたくなる。





「龍おかえりー、どうだった?」

「別に」

「またフッたの?」

「まあ」






フードくんにあれこれ聞かれながらテキトーな返事をする城ヶ崎くん。


その際も私の筆箱を取り出すため、カバンの中を漁っている。






「あ、これ」







ポン、と手渡されたのは確かに私の筆箱だった。



渡されたときに、城ヶ崎くんの指が当たって、これまた心臓がドキドキした。






「龍、その子……」

「朝転けた人でしょ?」

「友達だったのか?」






わ、私のことを話題にされてます?



筆箱は無事私の元に戻り、もうここにいる必要もなくなったが、私の話題となり帰るに帰れない。



私はその場に突っ立って、皆様の話に耳を傾けることにした。


悪口を言われないことを願う。
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