C校舎の城ヶ崎くん
「ふっ、くくっ!」
「えー……と」
城ヶ崎くんも笑うんだ、というのが率直な感想だった。
個人的にすごくクールな人っていう印象があったけど、意外に笑ったりするんだ。
笑わない冷徹人間とは微塵も思っていなかった。
ただ、吹き出して、笑ったりするんだと驚いた。
ポカーンとする私に城ヶ崎くんは未だ笑ったまま。
城ヶ崎くんが笑ったことに、他の人も意外だったのか、目をまん丸にして城ヶ崎くんを見ている。
「くくっ、なにそれ」
「なにがですか…」
「七宮さん面白いね」
「そ、そうでしょうか」
そんなことを男の子に言われたのは初めてだ。
でも私、ウケを狙った覚えはない。