C校舎の城ヶ崎くん
C校舎に行くということは、私にとってこれほどとない緊張をする。
朝のHRの間、緊張しっぱなしだった。
窓側の私は隣のC校舎を横目で見ると、制服を着崩した女子生徒たちがノロノロと廊下を歩いていた。
こ、怖いな…。
内心怯えながら、他の階に視線をやると1人の男子生徒が同じくノロノロと歩いていた。
あの階は確か、2年生。同い年の人だ。
じーっとその人を観察するように見ていると、こっちを向いた。
「うわっ!」
「どうした七宮ー」
「へ?えっと、な、なんでもないです」
驚いて声をあげてしまい、クラス中からクスクスと笑われた。
は、恥ずかしい 。
再びC校舎の男子生徒を見ようと窓側を向いたが、そこには誰もいなかった。