C校舎の城ヶ崎くん
「城ヶ崎龍、6組、よろしく」

「な、七宮千代、4組、よろしく」




緊張しすぎて城ヶ崎くんが言うのを真似した形になった。だから何で気の利いたことが言えないんだ私は!

それにこれくらいなら自己紹介しなくても知ってることだよね…。



そんな考えが頭をよぎったが、目の前の城ヶ崎くんを見ると、私と同じことは考えていないようだった。





「はーい、じゃあ僕」





フードくんの一人称は僕なのか。


手を挙げて言うフードくんに、自然と私の視線はいく。





「有紀 太郎、6組、好きなものはたくさんあるよー!よろしくね!」





ゆうき たろうくん。



好きなものはたくさんあるよ、ってそれ自己紹介に入るの?



でも一応「よろしくお願いします」と返した。




「あ、ニックネームはキタロ!」

「えっと、なんでキタロなの?」

「有紀の【き】と太郎の【たろ】をくっつけたから」

「なるほど」





由来が面白いなぁ。


私や私の友達のニックネームはほぼ下の名前だから、こういう変わったニックネームは新鮮だ。
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