C校舎の城ヶ崎くん
昨夜悩んだことは翌日になっても悩むわけで、胃がキリキリと痛むのを感じながら授業を受ける。
「千代大丈夫?ずっとお腹押さえてるけど」
「う、うん……」
「大丈夫なの?保健室行く?」
「大丈夫、ちょっと色々想像したらお腹痛くなっちゃっただけ」
授業中にも関わらず心配してくれた桃ちゃんはとても優しい。
でも痛い、痛い。
「でも保健室行った方がいいんじゃない?」
「う、うー」
「寝てきなよ」
「じゃあ、そうする。ありがとう」
この状態のまま授業を受けても辛いだけだ。
私は席を立って、先生に「お腹痛いんで保健室へ行ってきます」と告げて、許しを得た。
社会の先生は桃ちゃん同様心配そうに「無理はするなよ」と、優しい言葉をかけてくれた。
クラスメートの視線を浴びながら教室を出て、片手でお腹を押さえながら1階の保健室まで足を運んだ。