C校舎の城ヶ崎くん
「好きっていうのはね……他の人と違って見えたりするんだよ」





何気ない会話をしながらもC校舎に突入し、いつもより緊張が走る。


逆に桃ちゃんは普段通りだ。





「どう違うの?」

「なんかこう、キラキラしたオーラを放って自分のハートが撃ち抜かれるんだよ」

「?」

「まあ、その時になれば分かるさ」




桃ちゃん、なんだか大人だ。


こんなに可愛いんだから、桃ちゃんは今まで好きな人が何人かいそうだ。むしろ過去には彼氏とかいたんじゃないかな。




持っている教科書をきつく胸の辺りで抱きしめ、尊敬の眼差しで桃ちゃんを見た。





「確か2年は2階だったよね」






階段を登りながらルンルンと鼻歌を歌う桃ちゃんを横に、私はまたもや俯く。


C校舎なんて片手で足りる程しか来たことがない。それも先生の手伝いで来ただけ。


だからC校舎は未知の世界というか、私なんかとは別の次元で生きてる人たちがいる場所だと頭にインプットしている。





…変な目で見られないといいな。






そんなことを考えながら、お目当ての教室へ向かった。


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