C校舎の城ヶ崎くん
「え、えっと。C校舎にも保健室あるよね」
「ある」
「なんでわざわざここの校舎の保健室まで…?遠いよね」
確かC校舎のほうにもちゃんと保健室があり、先生もいたはず。
ここまで来るよりも、そっちのほうが近いのにどうしてわざわざこっちまで来たんだろうか。
私が持ったその疑問を城ヶ崎くんは溜息を吐きながら解決してくれた。
「あそこな……サボりに最適なんだ」
「う、うん」
サボりはよくないよ、という正論は城ヶ崎くん相手に言えないっす。
城ヶ崎くんは頬をぽりぽりとかきながら、続けた。
「だから色んな奴が来て、うるさいわけ。サボりは静かにサボりたいじゃん」
「そ、そういうものなのかな」
「まあ、たまには騒ぐのもいいけど」
フッと笑った城ヶ崎くんは、初めて見た。
なんというか…イケメンが更にイケメンになって神。城ヶ崎くんは将来神様か何かになるんじゃないかと思う。
初めて見た彼の表情に、ずきゅぅぅんと胸を撃ち抜かれた。