C校舎の城ヶ崎くん
「へえ、七宮さん妹いるんだ」
「うん、小学5年生なんだ。城ヶ崎くんはいないの?」
「俺は兄貴と妹がいる」
あれから話は止まることなく続けられている。
どこにでもいそうな普通の私と超絶イケメンで不良な城ヶ崎くん。
そんな正反対の私たちは共通の話題なんてないから、すぐに話が途切れるかと思いきや。
そんなことはなかった。
聞きたいことは色々あるし、城ヶ崎くんも私にいくつか質問をしてくれる。
共通じゃなくても、知らないからこそ続くのだった。
「へえ、お兄ちゃんかぁ、いいなぁ」
「七宮さんも兄貴が欲しい人?」
「お姉ちゃんも良いけど、やっぱりお兄ちゃんが憧れだよ」
5時間目はまだ終わらない。このまま終わらなくていいのに、とも思う。
「女子ってほとんどそうだよね。なんでそこまで兄貴が欲しいのか分からない」
「お兄ちゃんは欲しいけど、やっぱりかっこいいお兄ちゃんがいい」
「かっこいいって、イケメン?」
「で、できれば」
「ははっ、正直だな。まっ、ブスの兄貴なんかはいらないよな」
城ヶ崎くんが笑ってくれる。
私といても、退屈なだけかと想像していたけど、案外そうでもないかもしれない…。
もしかして私イケる?城ヶ崎くんと普通に友達になれちゃってる?
なーんて自惚れもする。