C校舎の城ヶ崎くん
「ははっ、あいつ大人しそうに見えてなかなかやるだろ。彼女けっこう可愛いからな」

「見てみたいな」

「ちなみに年上な」

「え!?」

「高校生」

「女子高生!?」





へえー、と感心する。


中学生が高校生と付き合うなんて、私にはあんまり考えられないけど。


実際にあるんだー。


私は城ヶ崎くんに好きな子がいるという事実をそっちのけに、その話に釘付けになった。





「あいつ、告白も照れずに済ませてたな。無表情以外あんま見ないし」

「た、確かに無表情だ」

「だろ?そんで彼女がコロコロ表情変わる人でさー」

「そういう人いいよね」

「照れずに手とか繋ぐあいつはすごいぞ」





楽しそうにアキのことを話す城ヶ崎くんは、輝いてる。

友達を大切にする人なんだ…。

見た目が不良だからって、偏見はだめだよね!





「でさー、アキのやつ…」

「ふふっ」

「え、なに」





思わず笑いが出てしまった。

でもそれは決して馬鹿にしているとか、そんなんじゃなくて。



純粋に微笑ましかった。



それは城ヶ崎くんも分かってるみたいで、嫌な顔せずにキョトンとしている。
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