C校舎の城ヶ崎くん
「うほー、わんさかいますなぁ」

「まさかあの人だかり…」

「もちろん。皆、城ヶ崎様を拝みに来たんではないでしょうか」

「だ、大人気だね」






とあるクラスの前だけ、野次馬の人だかり。呆気にとられるくらい人がいる。こんな光景を見たのは初めてだ。


きっとあそこが城ヶ崎くんのいる教室なのだろう。




派手な女の子や男の子がたくさんいて、私は場違いなのでは?と思ってしまう。


いや実際本当に場違いなんだけど。


だんだん顔が引きつってくるのが自分でも分かる。





「ではでは、行くよ!」

「ま、待って!」





桃ちゃんは私の腕を引いて人だかりの中へと入る。



ぶつかったり足を踏まれたり、バーゲンセールにでも来た感じだ。






「ちょ、押さないで…!」







後ろからぎゅーっと押され、桃ちゃんが握っていた私の腕は離され、1人になった。




ひ、ひいぃ!!

1人にしないで桃ちゃん!!どこ行ったの桃ちゃん!!置いていかないで桃ちゃん!!





前に進む桃ちゃんを必死になって追いかける。





「邪魔………」



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