C校舎の城ヶ崎くん
ふんわりショートカットの30代前半と思われる、美人な先生。
「愛ちゃん、早かったね」
「うふふ」
「なんの話だったの?」
「世間話よ」
「へー、校長と世間話なんてするの?」
「すぐバレる嘘だったかしら」
城ヶ崎くんと先生が親し気に話をしている…。
城ヶ崎くんは楽しそうに顔を緩ませ、先生は頬を桃色に染めていた。
も、もしかして!!
私はそんな2人を見て衝撃を受けた。
城ヶ崎くんの好きな人って、この先生!?
「ところで、そっちの女の子はどうしたの?」
「七宮さんはお腹痛くて来たんだって」
「あらあら、まあまあ。大丈夫かしら」
2人の視線が私に集中し、またしてもハッとした。
私、お邪魔……?
その考えが浮かび上がり、焦ってしまう。
「七宮さん、もう大丈夫なのかしら」
「は、はい!!」
カツカツと歩み寄ってくる先生は、遠目でなくとも美人だった。
ナチュラルメイクで雑誌に載ってそうなお顔をしてらっしゃる。
私のお母さんとは大違いだな、とお母さんに対して失礼なことを思う。