C校舎の城ヶ崎くん
「つかお前、言うようになったな…」
つい最近までオドオドしてたクセによ、とゲーム機から目を外さずに言われた。
私はまたもやため息を吐きそうになった。
「なになに、千代ちゃん悩み事?」
「まっつん…」
「俺でよかったら聞くよ?恋のスペシャリストだからね」
「は……?」
「ズバリ、恋の悩みなんでしょ!」
ふっ、とドヤ顔をされた。
私はなんて反応をしていいか分からず、数秒停止した。
「いやいやいや!ちがっ」
「誤魔化さなくていいって!相談くらいのるから」
私は思わず椅子から立ち上がって、顔の前で手を振ったが、それが逆に誤魔化していると勘違いされた。
頭をぽりぽりとかきながら静かに座った。
「まっつんが恋バナしたいだけでしょ」
「アキも混ざる?いいよー」
「誰も混ざるなんて言ってない」
本から目を離さずに喋るアキはとてもクールだ。
「んー、あ!」
「な、なんですか」
いきなり大声を出したからびっくりした。
膝に置いたリュックを抱く手が、ビクッと動いた。
「はっはーん。もしかしてキタロとなんかあったなー?」
「…………き、キタロ…?」