C校舎の城ヶ崎くん
「キタロとなんかあったから、今あいついないんだろー?」
キタロは今、室内にいない。
私が来たときにはもういなかった。
でも、カバンは机の上にあるから帰ってはないみたい。
「そういやー、キタロのやつ帰りのHRんとき大人しかったなァ」
「あ、ユッペも思った?」
「おいお前、キタロに何かしたんだろ」
疑問形になってないし!
私がなにかしたことが確定されてませんか!?
ヒクヒクと口元が上がる。
疑惑の目で見てくるユッペとまっつん。
アキは本を読んでいて、こちらの話には興味がないみたい。
「で、どうなの千代ちゃん」
じーっ、と真顔で迫るまっつんに視線を泳がす。
い、色気がすごいなこの人は本当に。
胸元が開いているせいか、中学生でこの色気とは…。
「キタロは、関係ないよ…?」
と、思う。
キタロは桃ちゃんと関係があるみたいだし、私がキタロとな何かあったわけではない。
「えー、じゃあなんでキタロ元気なかったのさー」
「さ、さぁ…」
私の友達とな何かあったみたいです、とか言うと色々と聞かれそうだからパス。
聞かれても答えられないもん。
「うーん、じゃあもしかして龍?」
そう言われた瞬間、体が跳ね上がった。