C校舎の城ヶ崎くん
「こいつは害だ!害虫だ!龍に言い寄る他の女よりも敵!!」
「ユッペ落ち着けって」
「いいや、長年の勘が訴えてんだ!絶対龍に害を及ぼす!!」
が、害虫て…。
そんなに私は嫌われてるのか、と肩を落とす。
生まれてこの方、男子に嫌い宣言をされたことはなかったし、こんな言い方をされたこともない。
少なからず落ち込んだ。
「クッソ、お前覚えてろよ!!」
そう言い捨てて、教室を飛び出して行った。
これは追いかけるべきなのか、それとも謝ったほうがいいのか。
判断に迷った私の肩に、まっつんは手を置いた。
「ごめんねー、あいつ龍が大好きだからさ」
「は、ははっ。そうみたいだね」
苦笑い以外に選択肢がないよ、
まっつんは側にある机に腰をかけ、腕につけていたゴムで、髪を結び始めた。
結んだそれが雀の尻尾みたいで可愛いかった。